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お金の心配① 傷病手当金

心の病気にかかってしまったとき、
家族の収入が減り、もしかしたらゼロになってしまうんではないか?
と心配されている方は多いと思います。

でも、ある程度は大丈夫です。

日本には社会保険庁があります。
休んでいる期間の「傷病手当金」があるので、
安心して療養できると思います。

心の病気にかかってしまうと、会社に行こうと思っても行けない。
仕事をしていても手につかない、など収入を得るための手段がなくなってしまうケースもあります。

家族のために何とかがんばろう・・・と思って無理をすると病状はますます悪化してしまうかもしれません。

もともと心の病気にかかってしまう方々は、
基本的にまじめで、責任感が強くて、いい人が多いと思います。

そんな方が苦しんでいる状況を見るのは、
家族にとってもつらいと思います。

ですから、ここは思い切って仕事を休んでみたらいかがでしょうか?
意外と回復への近道になるかもしれません。

私は当初は会社に籍を置きながら「休職」というかたちをとって療養していました。
でも、会社に残してきた仕事は気になるし、
定期的に会社に病状を報告しなければならず、
休んでいるにもかかわらず、会社のことを考えなければならないケースが意外と多いんです。
また、会社に復帰してからも以前のように働けるんだろうか?
今後の自分の会社内での立場は悪くなってしまうんだろうなぁ・・・
これからの昇格・昇任は難しくなるんどろうなぁ・・・
とか悪いことばかり考えてしまいます。
これでは病気もなかなか回復しません。
でも、考えるなというほうが無理なんです。

悩んで悩んで悩みぬいた結果、
私は一時的に仕事を離れました。

家族の支えがあったので離職することができました。

その結果、早期の社会復帰ができそうです。

その期間に利用させてもらったのが
「傷病手当金」です。


① 傷病手当金

***注意***
以下については大雑把に把握できるように概容を書きました。
正確な情報を得るには
ご自身の会社の総務関係の部署、社労士、社会保険庁などでご確認ください。


傷病手当金は、私傷病で労務不能となり、給与の支給がなくなった場合に
健康保険から支給される現金給付です。
傷病手当金は、退職後も一定の条件を満たせば、
継続して給付を受けることが出来ます。


② 傷病手当金とは

(1)傷病手当金とは

   私傷病で欠勤し給料が支給されない場合、
   安心して療養に専念出来るように健康保険から賃金の一部に相当する現金が給付されます。
   これが傷病手当金です。

(2)傷病手当金の支給要件

   傷病手当金の支給を受けるには、次の4つの要件を満たすことが必要です。

     ①療養のため労務に服することが出来ないこと。
     ②労務不能の日が継続して3日間あること。(年次有給休暇を利用した休業でも構いません)
     ③労務不能により報酬の支払がないこと。
     ④健康保険の被保険者であること。(任意継続被保険者を除く)

     ※年次有給休暇を利用して、休業している場合は、報酬の支払いがありますので、
       傷病手当金は、年次有給休暇扱い出来ない日(欠勤となる日)から、支給が開始されます。
     ※療養には、自費診療、自宅療養も含まれます。
     ※健康保険の被扶養者や国民健康保険の被保険者の場合は、傷病手当金は受給出来ません。

(3)傷病手当金の支給金額

   労務不能1日につき、標準報酬日額3分の2(月給日額の約66%)の金額が支給されます。
     ※平成19年4月1日以降、約6.7%増額されました。

(4)傷病手当金の支給額計算方法

   病気のため、60日間入院及び通院のため、労務不能であった。
   標準報酬日額1万円の人の場合。

       1万円×2/3=6,667円  6,667円×60日=400,020円
       この人の場合、400,020円の傷病手当金が支給されます。


③ 傷病手当金の支給期間

傷病手当金を受給できる期間には限度があります。

(1)傷病手当金の支給期間

   傷病手当金の支給は、支給を始めた日から起算して1年6月が限度です。
   なお、労務不能となった最初の3日間は支給されません。
   1ヶ月に1度位の間隔で請求すれば良いでしょう。

   ただし、ここでいう1年6か月とは傷病手当金支給の実日数ということではなく、
   暦の上での1年6か月ということですから支給開始日より1年6か月たてば同一の病名では
   傷病手当金は支給されません。
   この間に働いても、同一の病気が悪化して再び仕事ができなくなったときは、
   1年6か月までの間なら何度でも傷病手当金の支給を受けることが出来ます。
   待機期間(労務不能の日が継続して3日間あること)は不要です。

   同一病名の場合は、完治しない場合は、
   1年6ヶ月が限度ですので、それ以降傷病手当金は支給されません。
   支給を受けた病気と関連のない病気にかかった場合や以前の病気が完治(社会的治癒を含む)し、
   その後再発した場合は、支給されます。
   この場合、待機期間が必要となります。


(2)傷病手当金と社会的治癒

   社会的治癒とは、同じ病気であって一定期間薬を飲んでいないとか、
   病院に通院していない場合に病気が治癒したものと扱うことです。
   厚生労働省の通達では、「社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり、
   社会的に復帰している状態をいう。
   薬治下又は療養所内にいるときは、
   一般社会における労働に従事している場合でも社会的治癒とは認められない」ことになっています。
   結核、糖尿病、精神疾患では「3年くらい」薬を飲んでいない、通院、入院していないことが必要です。


④ 傷病手当金の受給方法

傷病手当金を受給するには、所定の手続きが必要です。

(1)傷病手当金の在職中の受給手続

   「健康保険傷病手当金請求書」に医師の意見と事業主の証明を記入して貰い、
   会社を管轄する社会保険事務所または健康保険組合に提出します。
   総務担当者がいれば、傷病手当金請求書の用紙を送付して貰い、
   医師の意見を記入して頂き、会社へ返送すれば、
   総務担当者が、会社の証明の記入と社会保険事務所又は健康保険組合への提出を
   代行してくれます。

(2)傷病手当金の退職後の受給手続

   会社を退職していますので、
   社会保険事務所又は健康保険組合から「健康保険傷病手当金請求書」の用紙を取り寄せ、
   医師に意見を記入して頂き、
   会社を管轄する社会保険事務所又は健康保険組合に自分で送付または提出することが必要です。

(3)傷病手当金と税金

   傷病手当金は保険給付ですから非課税です。
   所得税も住民税もかかってきません。
   (住民税は前年度の所得に対して課税されますので、
   翌年の住民税が傷病手当金分は非課税となります。)

(4)傷病手当金と傷病手当

   傷病手当金は、健康保険法上の保険給付です。
   それに対し、傷病手当は、雇用保険法上の保険給付です。
   すなわちハローワークで基本手当(失業手当)を受給中の者が、
   傷病により、休職活動出来ない場合に、基本手当に代わって支給されるのが、傷病手当です。


⑤ 傷病手当金と時効

傷病手当金の時効は2年です。
注意が必要なのは、この時効期間は、
傷病手当金を受給出来る日ごとに2年と数えることです。

従って、傷病手当金は支給開始後最大1年6ヶ月間支給されることとなっていますが、
受給開始可能状態にある日以降1日毎に時効が進行していきますので受給可能状態になっているにも係らず、
その状態から2年6ヶ月後(1年6ヶ月の支給終了日から1年しか経過していない)に請求しても
傷病手当金が受給出来ない日が出てきます。

このケースでは、最大1年分の傷病手当金しか受給出来ません。







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