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自律神経失調症って?

自律神経失調症の病状については、
病院等ですでにご説明を受けていると思うので、
ここではその原因のひとつである「ストレス」について考えたいと思います。


① ストレスの経過

まず、最初に
「ストレスの経過」についてです。

どのような過程で病気にまで発展してしまったのか?
原因がわかれば治療もうまくいくはずです。
「ストレスの経過」には以下のような段階があるそうです。

(1)「警告期」
     受けたストレスに反応して、体が警告サインを発している時期
       ・疲れる
       ・なんとなく体調が悪い
       ・血圧が上がるもしきは下がる
       ・肩こりがする
       ・イライラする、ミスが増える

(2)「抵抗期」
     ストレスに対する抵抗や反発が起こる時期。
     疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力状態に陥ることもある。
       ・血圧の変調が本格化する。
       ・心臓や胃の異常が現れる。
       ・血糖値が上がる
       ・仕事を抱え込んだり、休まなくなる

(3)「疲弊期」
     疲れきって、自分ではどうにもならなくなり、本当の病気に移行する時期。
       ・集中力がなくなる
       ・ふんばりがきかない
       ・物忘れがひどくなる
       ・ストレス性胃潰瘍などの心身症を起こす
       ・うつ病や神経症などの心の病気になる


② 心の問題が体に現れることも

心の問題が体の症状として現れることもあります。
「うつ病」も身体症状という仮面をかぶって現れることもあります。
これを「仮面うつ病」といいます。
身体症状の陰に精神症状が隠れてしまい、本当の病気が見逃されてしまうことが多いのです。
体に不調があって、治療をきちんと受けているのに一向に症状が改善しないという場合は、
心の問題にも目を向けてみることが必要です。

仮面うつ病の人が訴える身体症状にはこんなものがあります。
     ・胸痛
     ・胸部圧迫感
     ・動悸
     ・呼吸困難

     ・口渇
     ・悪心
     ・食欲不振
     ・食道の異物感
     ・便秘

     ・頻尿
     ・残尿感
     ・月経不順

     ・頭重
     ・頭痛
     ・めまい
     ・ふらつき
     ・のぼせ
     ・ほてり
     ・しびれ感
     ・肩や首のこり
     ・背中や身体各部の痛み

     ・手足の違和感
     ・味覚の異常
     ・嗅覚の異常

     ・全身倦怠感
     ・疲労感
     ・体重減少
     ・睡眠障害

うつ病の場合は、こうした身体症状の中核に、憂鬱、活力や意欲の低下、無気力、
不安、緊張などの精神症状があります。
心身の症状は、朝に強く現れ、夕方になると軽快する傾向があります。


③ ストレス関連疾患

ストレスが過剰になるとうつ病、神経症、心身症をはじめ、さまざまな病気を引き起こします。
なかには意外な病気に心のストレスが関わっていることもあります。
心理的社会的ストレスが発病や病状の経過に関与することが大きいと考えられている病気を
「ストレス関連疾患」と呼び、次の31種類があげられています。

ストレス関連疾患

     ・胃・十二指腸潰瘍
     ・潰瘍性大腸炎
     ・過敏性腸症候群
     ・神経性嘔吐
     ・本能性高血圧症
     ・神経性狭心症
     ・過呼吸症候群
     ・気管支ぜんそく
     ・甲状腺機能亢進症
     ・神経性食思不振症
     ・偏頭痛
     ・筋緊張性頭痛
     ・書痙
     ・痙性斜頸
     ・関節リュウマチ
     ・腰痛症
     ・頸肩腕症候群
     ・緑内障
     ・メニエール症候群
     ・円形脱毛症
     ・インポテンツ
     ・更年期障害
     ・心臓神経症
     ・胃腸神経症
     ・膀胱神経症
     ・神経症
     ・不眠症
     ・自律神経失調症
     ・神経症的抑うつ状態
     ・反応性うつ病
     ・その他(神経性○○症とされたもの)


④ 自律神経失調症

私たちの意思とは関係なく、体の内外からの刺激に自動的に反応して、
心臓や肺、胃腸などの働きを調節している神経です。
自律神経には、主に緊張時に働く「交感神経」と、
リラックス時に働く「副交感神経」の2系統があります。
交感神経は体を活動状態に、副交感神経は体の状態を平常に保つように働きかける神経です。
この両者がバランスよく働くことではじめて体の調子も良好に保たれます。
ところが、ストレスが強すぎたり、その状態が長く続くと、
交感神経と副交感神経のバランスがうまく保てなくなります。
すると、自律神経がコントロールしている臓器や器官の働きが乱れるため、
全身にさまざまな不調が現れるようになります。
これがいわゆる自律神経失調症と呼ばれているものです。


⑤ あなたはストレスに強いですか?

ストレスで病気になるかどうかは、ストレスの受け取り方にもよります。
どんな人がストレスで病気になりやすいのでしょう?

(1)体力や体質もストレス耐性に影響する

     過労や病後で体が弱っていると、普段よりも風邪をひきやすくなります。
     これは自律神経や内分泌系の機能が低下し、ストレス刺激に対する抵抗力が落ちるためです。
     つまり、ストレス耐性は、そのときの体力に左右されるということです。

(2)ストレス状態になりやすい性格もある

     一般に次のような性格の人はストレスに弱い性格と考えられます。
       ・几帳面である
       ・何事も完璧にこなそうとする
       ・物事にこだわりやすい
       ・感受性が強い
       ・周囲に気を使いすぎる
       ・柔軟性に乏しい

       など、「いい人」です。

(3)ストレス処理の下手なライフスタイルも問題

     いわゆる会社人間で変化の少ない生活を送っていると、気分転換もできず、
     ストレスをうまく処理できません。


⑥ 心の発するサインを見逃さない

ストレスがその人の許容範囲を超えると、心や体にサインが現れます。
ストレスで病気にならないためには、そのサインを見逃さないことが大切です。

「なんとなくおかしい」は要注意サイン

身近な人の目から見ても、精神面の異常を判別するのは容易ではありません。
しかし、注意深く観察していると、表情や態度、言葉、雰囲気などに、
サインが現れていることがあります。
周囲の親しい人たちが、普段と違う、不自然に見えると感じたり、
なんとなく奇妙、異様な印象を受けるというときは、
どこがどうおかしいと明確に説明できるわけではなくても、
要注意といえます。
本人は判断できないので、まわりの家族、友人が気づいてあげなければいけないと思います。


⑦ あなたのストレス状態は?

自分が過度のストレス状態にあっても、それに気づいていない人が少なくありません。
ストレスに対処するには、まず、自分のストレス状態に気づくことが欠かせません。

自分のストレス状態をチェックしてみましょう

     ①頭がスッキリしない(頭が重い)。
     ②目が疲れる(以前と比べると目が疲れることが多い)。
     ③ときどき鼻づまりすることがある(鼻の具合がおかしいことがあ)。
     ④めまいを感じることがある(以前はまったくなかった)。
     ⑤ときどき立ちくらみしそうになる(一瞬クラクラッとすることがある)。
     ⑥耳鳴りがすることがある(以前はなかった)。
     ⑦しばしば口内炎ができる(以前と比べて口内炎ができやすくなった)。
     ⑧のどが痛くなることが多い(のどがヒリヒリすryことがある)。
     ⑨舌が白くなっていることが多い(以前は正常だった)。
     ⑩今まで好きだったものをそう食べたいと思わなくなった(食物の好みが変わっている)。
     ⑪食物が胃にもたれるような気がする(何となく胃の具合がおかしい)。
     ⑫腹が張ったり、痛んだりする(下痢と便秘を交互に繰り返したりする)。
     ⑬肩がこる(頭も重い)。
     ⑭背中や腰が痛くなることがある(以前はあまりなかった)。
     ⑮なかなか疲れがとれない(以前に比べると疲れがたまりやすくなった)。
     ⑯このごろ体重が減った(食欲がなくなる場合もある)。
     ⑰何かするとすぐ疲れる(以前と比べると疲れやすくなった)。
     ⑱朝、気持ちよく起きられないことがある(前日に疲れが残っているような気がする)。
     ⑲仕事に対してやる気が出ない(集中力もなくなってきた)。
     ⑳寝つきが悪い(なかなか眠れない)。
     21夢を見ることが多い(以前はそうでもなかった)。
     22夜中の1時、2時ごろに目が覚めてしまう(そのあと寝付けないことが多い)。
     23急に息苦しくなることがある(空気が足りないような感じがする)。
     24ときどき動悸を打つことがある(以前はなかった)。
     25胸が痛くなることがある(胸がギュッと締め付けられるような感じがする)。
     26よく風邪をひく(しかも治りにくい)。
     27ちょっとしたことでも腹が立つ(いらいらすることが多い)。
     28手足が冷たいことが多い(以前はあまりなかった)。
     29手のひらやわきの下に汗の出ることが多い(汗をかきやすくなった)。
     30人と会うのがおっくうになっている(以前はそうでもなかった)

     採点 : 1項目を1点
     評定 : 0~5=正常
           6~10=軽度ストレス(要休養)
           11~20=中等度ストレス(要相談)
           21~30=重度ストレス(要診断)  


⑧ ストレス病かな?と思ったら

心や体の不調が続く場合は、ストレス病を疑ってみることも必要です。
病院に行きにくいイメージがあるかもしれませんが、
悩みを抱え込まず、早めに専門医に相談しましょう。
会社の相談窓口でもいいし、「いのちの電話」などの電話相談でもいいと思います。








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